モルタル外壁はお手入れしなくていいってホント?点検すべき箇所とは
モルタル外壁は、おしゃれで機能性を兼ね備えていることから人気がある外壁材のひとつです。本記事では、モルタル外壁について、お手入れの時期や点検すべき箇所について解説します。モルタル外壁の採用を考えている方、モルタル外壁を採用したけれどメンテナンスについて気になっている方は、最後までご覧ください!
モルタル外壁は丈夫?モルタルのメリットとは
モルタル外壁は、砂や繊維などを混ぜ合わせることでつくります。一般的には、デザイン性が評価され、モルタル外壁を選択する方が多いようですが、ほかにはどのようなメリットがあるのでしょうか。詳しく紹介します。
デザイン性に優れている
モルタル外壁は、砂や繊維でつくられるため、採用できるデザインが豊富にあります。おなじネイビーやグレー色でも中に織り交ぜる砂の違いで、若干の色の違いをだすことも可能です。
さらに、サイディング外壁のように外壁材の目地が不要で、美しい意匠性をだすことが可能です。
遮熱効果がある
外壁材によっては、外壁に太陽光があたることによって、室温上昇につながることがあります。モルタル外壁は、太陽光によって温度が上昇することなく、夏の暑い時期でも室内を快適な状態にしやすいことが特徴です。
さらに、モルタル外壁に遮熱効果がある塗料を吹き付けることで、更なる遮熱効果を期待できます。
耐火性や耐久性がある
モルタル外壁の主原料である砂・セメント・水はすべて不燃材です。炎にさらされたとしても、すぐに燃えることはないでしょう。さらにモルタル外壁は、台風などにより外壁に飛来物があたっても簡単に損傷することはありません。
モルタル外壁のデメリットとは
一方で、モルタル外壁にもデメリットは存在します。デメリットについても詳しくみていきましょう。
職人の腕により施工精度にばらつきがでる
モルタル外壁は、職人によって施工が行われます。使用する材料によっては、吸水性に差があるなど、施行自体も難しいことが特徴です。職人の腕によって外壁の仕上がりに差がでることは、ある程度覚悟しておかなければいけません。
ひび割れをおこす場合がある
モルタルは防水効果に乏しく、経年劣化により水分を吸収しやすくなります。メンテナンスせずに放置しておくと、外壁のクラックや剥がれにつながり、建物寿命を縮めてしまう恐れもあります。モルタル外壁に防水加工をしておくなど、一定の対策は必要でしょう。
コストがかかりやすい
モルタル外壁は、工程が複雑で工事期間が長期化しやすいことが特徴です。そのため、管理費や人件費がかかりやすく、採用には通常の外壁材よりコストがかかりやすい傾向にあります。
モルタル外壁もメンテナンスは必要!
モルタル外壁は、ほかの外壁材と同様にメンテナンスをしなくてはいけません。外壁は、雨風により、徐々に汚れが生じてきます。
とくにモルタル外壁は、意匠性をだすために外壁表面に凹凸をつけていくので、凹凸にほこりが溜まりやすくなります。さらに、外壁が紫外線に晒されることで、防水加工が徐々に薄れていきます。
一般的に、10年経つと外壁が劣化しはじめるので、10年ごとに塗り替えなどのメンテナンスをするといいでしょう。
モルタル外壁の塗装前に点検すべきところとは
モルタル外壁は、10年ごとに塗り替えていくことが推奨されていますが、メンテナンス周期は立地状況などによっても異なります。以下では、塗装前に点検しておくべき代表的な劣化症状について紹介します。
変色
モルタル外壁に含まれる樹脂が雨風によって変色している状態です。壁にツヤがなくなる、くすんだ色味になるという症状がでた場合は、変色していると考えていいでしょう。
変色は劣化初期の段階でみられる症状ですが、メンテナンスせずに放置しておくと外壁からの雨漏れにつながる恐れがあります。
チョーキング
チョーキングとは、外壁を手で触ると手に白い粉が付いてしまう症状です。チョーキング症状がでると外壁の防水性が低下している恐れがあります。防水性が低下するとカビや苔が生える原因になるので、早急に対応するようにしましょう。
カビ
防水性、耐汚染性、防カビ性などが低下しているとカビの繁殖につながります。カビを除去した上で、外壁の再塗装をするようにしましょう。
クラック
クラックとは、外壁にひびが入ることです。ヘアークラックと構造クラックといわれるものがあり、構造クラックまで症状が進んでいる場合、早急な対応が必要です。
剥がれ
モルタル外壁が剥がれていく症状のことで、衝撃や寒暖差によって生じます。剥がれは、建物の寿命を縮めてしまう恐れがある劣化症状なので、みつけた場合は早急な対応を要します。
まとめ
以上、モルタル外壁について、メリット・デメリットやメンテナンスの必要性、メンテナンス時に点検すべきところについて紹介しました。モルタル外壁はデザイン性が下がるだけでなく、遮熱効果などの機能性も有しています。
一方で、施工自体が難しいことから、その仕上がりは職人の技術に左右されやすい側面があります。メリット・デメリットを比較した上で、採用するようにしましょう。
モルタル外壁は丈夫という印象を持たれやすいですが、メンテナンスは必要です。変色やチョーキング、クラックなどの症状がみられたときは、早急に対応するようにしましょう。