外壁塗装に下地処理は欠かせない!重要な工程といわれるワケ
築10年も経つと、家の外壁の劣化を感じ始めるのではないでしょうか?色あせだけでなく、ひび割れや塗装剥げなどの発生をきっかけに塗装工事を検討する方も多いでしょう。そこで今回は、外壁塗装の仕上がりを左右する下地処理について解説します。下地処理の重要性を詳しく知ることができるため、最後まで読んでみてください。
塗装工事の前になぜ下地処理が必要なのか
冒頭で、下地処理が外壁塗装の仕上がりを左右すると述べましたが、具体的にどのようなことをするのでしょうか?下地処理とは、壁に付着している汚れを落とし、ひび割れなどを補修する作業のことをいいます。
一見、そんなに汚れていないように見えても、外壁には塵やほこりなど、さまざまな汚れが付いており、苔や藻が発生している箇所もあります。それらを高圧洗浄でしっかりと落とさなければ、新しく塗る塗料がしっかりと密着しません。
また、壁にひび割れなどの凹凸がある場合は、表面を平らでなめらかに補修することで、美しく仕上げることができます。外壁塗装をキレイな状態で長持ちさせることができるかは、下地処理の段階でほぼ決まるといっても過言ではないでしょう。
下地処理の種類
一口に外壁の下地処理といっても、劣化の状態や施す箇所によって種類はさまざまです。ここでは、よく行われる代表的な下地処理作業を解説します。
高圧洗浄
まず、どのような劣化状態であっても必ず行う重要な工程が「高圧洗浄」です。高圧洗浄は、強い水圧で頑固な汚れを洗い流すことができます。さらに、らせんを描くことのできるトルネードノズルを使用すれば、既存の塗料さえもこそぎ落とすことが可能です。
ケレン作業
ケレン作業とは、サビや古い塗膜を手作業で落とすことをいいます。とくにサビ落としを目的に行うことが多く、ディスクサンダーやワイヤーブラシ、研磨スポンジや紙やすりなどを駆使して丁寧にサビなどを取り除いていきます。
サビを完全に除去できていない壁に塗装してしまうと、またすぐにサビが進行してしまうので、ケレン作業も重要な作業といえるでしょう。
コーキング補修
外壁に貼られているパネルとパネルの隙間のことを「目地」といいます。目地には、クッション性と防水を兼ねて樹脂コーキングが打たれていますが、このコーキングが劣化してくるとひび割れや剥がれなどが起こります。
こういった不良を放置したまま塗装してしまうと見た目も悪く、最悪の場合、水が浸入して雨漏りの原因にもなってしまうため、補修が必須です。
コーキングの劣化が軽度な場合は、コーキング材を充填して埋めることもできますが、劣化が酷い場合には、既存のコーキングをすべて剥がして、新たにコーキングを打ちます。
セメント補修
外壁が、セメントやモルタル質でできている場合、ひび割れなどはセメントで補修します。ぱっと見た感じひび割れなどの不具合がなくても、手で触っただけで壁面がボロボロと崩れていくようであれば、新たに塗料を塗ることはできません。
劣化した部分をハンマーなどで除去し、その上から新たにセメントを打って補修する必要があります。コテでセメントの表面をなめらかに整えていく作業も、大事な下地処理の1つです。
パテ埋め
タッカーや釘によってできた穴や段差は、粘土状のパテを使い、表面をできるだけ平らに補修します。小さな穴や段差だったとしても、そのまま塗装するとそこの部分に塗料が溜まったり、色ムラができてしまったりするため、キレイに仕上がりません。
粘土状のパテは速乾性が高く、乾燥するととても硬くなるので、タッカーや釘によってできた穴の段差をならすのに適しています。
下地処理が必要かどうかは自分で判断できる
外壁の塗装工事をするのであれば、下地処理は必須です。しかし、本当に必要なのか疑問に感じるという人は、ぜひ自分の目で確認してみてください。
外壁をよく見てみると、小さなひび割れや塗装の剥がれなどがありませんか?サビやコケなどの汚れが付着していないでしょうか?また、目地のコーキングは劣化していませんか?これらは、遠目で見ても気づかないことがあるため、近くで確認してみましょう。
もし、このように目に見えて不具合がない場合でも、外壁の表面を撫でてみると、手のひらに白っぽい粉が付くことがあります。これは、「チョーキング」といって、そのまま塗装すると施工不良の原因になるため、高圧洗浄やケレン作業が必須です。
このように、自分の目で下地処理の必要性を確認することで、納得のいく塗装工事を行うことができるでしょう。
今回は、外壁塗装の下地処理について、解説しました。下地処理が適切に行われないまま新たに塗装すると、またすぐに不具合が発生してしまうことが、理解していただけたと思います。
自分の家に、どのような下地処理が必要かを事前に把握しておくことで、塗装業者との打ち合わせもスムーズに行うことができるうえ、見積内容も理解しやすくなるでしょう。本記事を参考にしながら、一度ご自分の目で外壁の状態を確認してみてください。