その見積もりで大丈夫?外壁塗装の見積もりの注意点とは!
新築住宅はおよそ10年で外壁塗装のリフォームが必要といわれています。塗替えの際は見積もりを取り寄せますが、専門用語が多く、一般には難しい内容です。提示された見積もり内容で大丈夫なのか、判断に苦しむところです。外壁塗装の見積もりのチェック事項、注意点についてわかりやすく解説します。
塗り回数や保証などをチェックしよう!
外壁塗装を依頼するにあたり、業者から見積もりを取り寄せます。適正価格で施工するために、見積書でチェックすべき項目は多くあるようです。
「塗装工事一式」「その他作業」「諸経費」といったざっくりとした表現が多いものは、この時点で業者に説明を求めましょう。見積もり内でチェックすべき項目を挙げます。
塗り回数
まず塗装回数が3回になっているか、をチェックします。外壁の塗装は下塗り1回、上塗り2回の合計3回が基本です。下塗りと上塗りでは使用する塗料が違うので、それぞれのメーカーや使用量が記載されているかもチェックします。
使用する塗料の記載があるか
使用する塗料のメーカー名、品名を確認しましょう。メーカー名や品名が不明、記載がない見積は再度提出してもらいます。「シリコン塗料」とだけ記載されているものなども同様にメーカー名、品名を確認します。
メーカー名や品名の記載があれば、ネット検索で適正価格かどうかを調べましょう。塗料は日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研といった国内主要メーカーであれば安心です。
下地処理の詳しい記載があるか
下地処理の詳しい記載があるかを確認します。塗料を塗る前の下地処理にはさまざまな方法があり、中でもケレン作業は塗料を塗る前に外壁のカビや汚れ、サビを落とすために絶対必要な作業です。
下地作業の内容を記載していない、「下地作業一式」などと書かれた見積もりは判断材料に乏しいので、作業の内訳を業者に問い合わせします。
保証期間の記載があるか
見積書内に「保証期間○年」の記載がありますが、もしなかった場合、記載したものを文書で取り寄せましょう。塗料メーカーや施工業者によって差がありますが、保証期間は通常1年から10年が基本です。逆に10年以上の外壁保証期間はありえないので、業者に説明を求めましょう。
不明瞭な点がないか確認しよう
見積内に足場の設置費用がなく、業者に確認すると「サービスしますよ」と返答が来ることがあります。足場の設置費用は一般的な外壁塗装工事で最低でも10万円以上はするので、他の部分に上乗せされている可能性があるようです。足場代金の記載がない見積もりは不明瞭と言わねばならず、こうした見積もりを出す業者は信頼に足るものではありません。
また極端に高い「諸経費」が計上された見積もりも確認が必要です。諸経費は職人の交通費や広告費などで、目安は施工費用全体の3%~5%です。不明瞭になりやすい部分なので、内訳を確認しましょう。
見積もりの末尾に「出精値引き-○○円」との記載がよくあります。出精値引きとは業者が企業努力によって行う値引きで、千の位の端数切り捨てなどです。この部分に10万円以上の金額があると明らかに相場とかけ離れているので、他の部分も注意しなければなりません。
出精値引きはあくまでも企業努力による値引きの範囲で、グレードを落とす値引きではありません。
付帯部塗装についてきちんと記載されているか
外壁塗装を依頼する際は、見積もり内に外壁付帯部の塗装についてきちんと記載されているかを確認します。付帯部とは雨どい、境目に使用する幕板、雨戸、戸袋、ベランダなどにつける笠木などを指します。
外壁塗装と付帯部塗装は同時に行うと、足場代、人件費などが一度で賄えるので、経済的です。「外壁塗装一式」との記載であれば、付帯部塗装の詳細がわかりません。
具体的に「雨どい、上塗り2回〇円」などと記載された見積もりを要求しましょう。塗装してほしい部分、塗装してほしくない部分を明文化して残しておけます。
付帯部の塗装はそれぞれの素材に対応した塗料を使うので、見積もり内に塗料メーカー、品番の記載が必要です。
「コミコミ価格」の項目は細かくチェックしよう!
塗装業者には工事一式の料金をすべて一括で設定した、「コミコミ価格」をうたっている業者があります。工事一式、塗料代、足場代、養成などすべてで〇万円となると、つい「お、安い!」と思ってしまいがちですが、この場合も細かいチェックが必要です。
工事費は立地条件などさまざまな要因で金額が変動します。それを日本中どこでもコミコミ50万円と提示されるとやはり疑問が生じますよね。コミコミ価格でも工事内容はしっかりとチェックしましょう。
外壁塗装を依頼する際はきちんとした見積もりを取り、充分な内容の吟味が必要です。依頼する側はインターネットを利用するなどして、見積内容が適切かチェックしましょう。不明瞭な点は説明を求め、文書化して回答をもらいます。デザイン性だけでなく、家を保護するという目的のためにも、格安価格の見積は念入りに精査したいものです。