外壁塗装の費用は、住宅のサイズ、塗装の種類、塗料の品質などさまざまな要因に左右されます。特殊な塗料や難易度の高い作業を要する場合、価格がさらに上昇することがあります。また、建物の年数や劣化度も費用に影響を与える要因です。今回は、外壁塗装の費用相場はどのくらいなのか、費用を抑えるためのコツも解説します。

坪数での外壁塗装の費用相場

外壁塗装は、住宅の美しさと耐久性を保つために重要なメンテナンスです。ここでは坪数を基準にした外壁塗装の費用相場について詳しく説明します。

坪数と外壁塗装費用

外壁塗装の費用は、住宅の広さである坪数によって大まかに決まります。1坪は約3.3㎡といわれており、これを基準に費用を計算します。以下は坪数ごとの外壁塗装費用相場です。

・10坪：約20〜50万円

・20坪：約40〜90万円

・30坪：約60〜100万円

・40坪：約80〜130万円

外壁の素材や状態、作業内容によって費用は変動しますが、坪数を基準にすることで、おおよその見積もりを得ることができます。

外壁塗装の予算設定

日本の一般的な戸建て住宅の延床面積は約30坪ほどです。この基準で考えると、外壁塗装の費用相場は最低でも60万円程度となるでしょう。ただし、外壁の状態や希望する仕上がりによって費用は変動するので注意しましょう。

外壁塗装費の内訳

外壁塗装を検討する際、費用の内訳を把握することは非常に重要です。以下では、外壁塗装の費用内訳を「塗装代」「足場代」「工事代」「諸経費」の4つに分け、詳細に紹介します。

塗装代

外壁塗装の費用内訳の中で最も重要な要素のひとつが「塗装代」です。これは、外壁塗装に使用される塗料の材料費を指します。塗料の選択は、外壁の美しさと耐久性に直結します。塗料にはグレードがあり、高品質で耐用年数が長いものほど費用が高くなります。

・ウレタン：8～10年の耐久性、2,000円～2,600円/㎡

・シリコン：10～15年の耐久性、2,700円～3,500円/㎡

・ラジカル：12～16年の耐久性、2,900円～3,500円/㎡

・フッ素：15～20年の耐久性、4,400円～5,600円/㎡

・光触媒塗料：15～20年の耐久性、4,900円～5,800円/㎡

・無機塗料：20～25年の耐久性、5,200円～6,400円/㎡

塗料の選択に迷った際は、シリコン塗料とラジカル塗料がおすすめです。これらの塗料はコストパフォーマンスに優れており、人気が高い選択肢となります。価格だけではなく、耐久性も考慮して塗料を選びましょう。安価な塗料は耐久性が低く、定期的な塗り替えが必要となります。

足場代

外壁塗装において、足場設置は重要な作業の一環です。足場代が高額に感じることもあるかもしれませんが、適切な足場設置は作業の安全性を確保し、工事品質の向上に寄与します。足場代には足場の設置費用と、塗料の飛び散りを防ぐためのメッシュシート（養生）の費用が含まれます。

足場の費用相場は700〜1,000円/㎡で、メッシュシートの費用相場は100〜180円/㎡です。一般的な30坪の住宅の場合、足場代は6万9,300〜9万9,000円、メッシュシート代は9,900〜1万7,820円が目安となります。

工事代

外壁塗装には、塗装や足場設置以外にも洗浄や補修などの工事工程が含まれます。これらの工程にはそれぞれ費用が発生し、外壁の品質維持と美観のために欠かせません。しかし、付帯設備の工事をすると数十万円から100万円ほどの開きができるため、必要な工事かどうかを見極める必要があります。

・高圧洗浄：9,000〜3万円

・シーリング補修：5〜15万円

・屋根塗装：20〜30万円

・雨どい交換：15〜20万円

諸経費

諸経費とは工事にあたって発生する諸費用のことです。業者が現場に向かうまでの交通費や、工事を開始する前の事務手数料などが含まれます。工事の際に出たゴミの処理費用もここに該当し、全体コストの10〜15％を占めています。

外壁塗装費を安く抑えるためには

外壁塗装の費用は数十万円を超え、決して安くありません。そのため、予算を抑える方法が求められます。ここでは、外壁塗装費用を節約するためのコツをご紹介します。

相見積もりをする

外壁塗装費用を削減するために、複数の業者に見積もりを依頼することが不可欠です。複数の見積書を比較することで、最もリーズナブルな業者を選ぶことができます。1社だけに依頼すると、提示された金額が適正かどうかを判断するのが難しいことがあります。また、中には相場から大幅に逸脱した金額を提示する悪徳業者も存在するため、慎重に見積もりを依頼しましょう。

助成金や補助金の活用

一部の自治体では、外壁塗装工事に対して「省エネ住宅改修補助金」や「住宅リフォーム資金助成」などの補助金が支給されることがあります。ただし、補助金の支給条件は自治体によって異なりますので、事前に詳細を調査しましょう。

火災保険の活用

住宅向け火災保険は、火災被害だけではなく、落雷や強風、ひょうなどの自然災害による損害も補償します。また、あまり知られていませんが、外壁への損害も火災保険で補償されます。保険の内容を確認し、補償を受けることがおすすめです。

閑散期に外壁塗装を依頼する

閑散期は繁忙期に比べて職人の手が空いており、割引価格が設定されていることが多いです。外壁塗装は気象条件に左右されるといわれていますが、最近の塗料の品質向上により、じつはどの季節でも工事が可能です。春と秋が外壁塗装のベストシーズンとされていますが、夏や冬でも相談することで費用の節約が可能です。

劣化がひどくなる前に依頼する

外壁塗装工事は、10年を目安に行うことが推奨されています。劣化が進行した状態で工事を依頼すると、費用が増加する可能性が高まるためです。劣化の兆候としては、チョーキング、クラック、カビの発生が挙げられます。劣化が進まないうちに専門業者に相談し、早めに工事を検討しましょう。

まとめ

住宅の外壁は、日常的な気象条件や汚れなどから家を守り、美しさを保つ役割を果たします。外壁が劣化すると、雨漏りのリスクが高まり、家の価値も下がります。そのため、外壁の定期的な塗り替えは重要です。外壁塗装の正しい価格を知っておくことで、トラブルを防ぐだけではなく、お得に塗装工事を行うことができるでしょう。

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