外壁が劣化してしまう原因は?劣化が進むとどうなる?
外壁が劣化する原因は経年劣化によるものはもちろん、「微生物汚染」と呼ばれるカビやコケなどによるダメージもよくあるケースとして知られています。住宅の外観にも大きく影響する外壁の劣化ですが、実は見た目だけでなく内部にまで被害が及んでしまうことも。今回は外壁の劣化について、その原因と劣化を見極めるポイントを解説します!
外壁はなぜ劣化してしまうのか
そもそも外壁はなぜ劣化してしまうのでしょうか?その原因は大きく分けて2つあります。
外壁が劣化する原因とは?
外壁を劣化させてしまう原因には排気ガスや紫外線などがありますが、意外にも多いのはカビや菌、コケによるものです。これらを原因とした劣化を「微生物汚染」「微生物災害」と呼びます。排気ガスや紫外線による劣化は外壁の表面に対するダメージのみで済みますが、微生物汚染の場合には建物の内部にダメージが達してしまいます。その結果、人体への被害にまでつながるケースもあるのです。
微生物汚染を防ぐためには?
微生物汚染が起こってしまう要因として考えられるのは「湿度」「温度」「栄養」の3つです。カビや菌は湿度の高い場所を好みますが、住宅内部の湿度が上がってしまう原因には雨漏りや壁内の結露、シーリング切れなどが考えられます。温度は冬以外であれば常に増殖できてしまう温度であり、栄養は住宅を作っているすべての有機物がその対象となってしまいます。
微生物汚染を防ぐためには、湿度対策をするほかないのです。湿度対策には水分の排除が重要となるため、雨漏りを放置しないことや断熱塗料の使用、シーリング切れを見つけたら早めに処理することなどを対策として行いましょう。また、これらすべてに当てはまることとして、対処療法ではなく「予防」が大切になるということを覚えておいてください。外壁の劣化を防ぐには、問題を見つけてから対処するのではなく予防策を講じておくことが重要なのです。
素人でもわかる劣化のサイン
「外壁の劣化」といっても、どのような状態になったら劣化のサインなの?と疑問に思う人は多いでしょう。内部の劣化については専門家でしか分からない部分もありますが、素人でも簡単にわかる特徴もあります。今回は、素人にも判断できる劣化のサインをご紹介します。
外壁表面の変色
一目見て簡単に分かる劣化のサインとして、外壁表面の変色があります。こちらは紫外線による場合がほとんどで、樹脂に含まれている顔料が浮き出てしまうことによって劣化が進みます。
「チョーキング」が起きている
チョーキングとは、外壁を手で触るとチョークの粉のようなものが手に付いてしまう現象です。多くの場合は変色と同時に起こります。
塗膜が剥がれている・浮いている
塗膜の耐久性が経年劣化によって失われてしまうと、塗料が膨れ上がってきたり剥がれたりしてしまいます。塗装時にゴミなどが付着していた場合にも起こりやすいですが、基本的には経年劣化によるものと考えてよいでしょう。
外壁のひび割れ
外壁がひび割れている場合も要注意です。ひび割れが0.3ミリ以下の細いものなら塗膜の経年劣化が原因となっていることがほとんどですが、0.3ミリ以上の場合には構造部にひび割れが発生している可能性もあります。前者の場合は外壁の劣化にあたりますが、後者は建物自体の劣化であり、放置しておくと雨漏りにつながってしまうことも。ひび割れを見つけたら早めに対策しましょう。
コケや藻の発生
外壁の防水性が弱くなることで、雨水が沈み込んでコケや藻の原因となります。建物の周辺に川や水田、池などがある場合には、コケの胞子と水分によって外壁部分でコケが成長しやすくなってしまいます。
シーリング切れ
シーリングとは、壁と壁の隙間部分に埋め込まれているゴム製のクッションです。シーリングは雨漏りや外壁同士のぶつかり合いを防止する役割がありますが、このシーリングが切れたり劣化してしまうことで外壁自体の劣化にもつながってしまいます。
劣化状態を放置するのはNG!
外壁の劣化を放置してしまうと、建物の内部にまでダメージが達してしまい、雨漏りの原因となってしまいます。築年数の経過に合わせて定期的にプロに診断をお願いし、外壁劣化のサインを見つけた場合には早めに対処することをおすすめします。対処方法にはシーリングの打ち替えや高圧洗浄、塗料の塗り直しなどがあります。業者に相談して、適切な方法で劣化を食い止めましょう。
今回は、外壁の劣化とそのサインについて解説しました。外壁の劣化は表面上の汚れだけではなく、内部にまで達して雨漏りなどの別の被害を生んでしまう可能性もあります。そのような事態を防ぐためにも、プロに住宅の経年劣化を診断・修繕してもらい、外壁にひび割れや汚れがないかを定期的にチェックしてみましょう。外壁は住宅の見た目も大きく左右するため、早めのメンテナンスで美しく保てるようにしてください!